慶應義塾大学 SFC研究所 上席所員 柘植晃様
※YRPセンター1番館5F産学官交流センター入居研究室※

慶應大学インタビュー1

YRPに研究室を置かれた時期はいつですか。

2019年です。総務省のプロジェクトに採択された時期で、電波に関する実証実験を進めるためにはYRPが最適な場所であるため、産学官交流センターに研究室を設けることを決めました。

YRPで進めている研究について教えてください。

中澤・大越研究室では、スマートシティとスマートライフをテーマに、さまざまな場所にさまざまな形で埋め込まれたコンピュータを、人間の活動に簡単に利用できるよう、知的情報環境コンピューティングの実現を目指した研究開発を行っています。ハードウエア技術の急速な発展によってコンピュータは、一昔前のスパコンレベルの処理性能がスマホとして手のひらサイズとなり、情報家電機器やセンサ機器、身の回りのさまざまな電子機器に既に組み込まれています。 さらにこれらの環境上で動くAIのユビキタス化が今後ますます加速されていきます。当研究室では、このような環境が、家庭やオフィスだけでなく、自動車内や鉄道車両内、美術館や鉄道駅などの公共建物、あるいは道路や公園をはじめとする公共空間にまで普及した、新しい情報環境を想定しています。 これを「知的情報環境」と呼び、同環境で人間が行うさまざまな活動を円滑に支援するために、研究活動を行っております。 また、横須賀市、藤沢市、鎌倉市、茅ヶ崎市、寒川町、大磯町の湘南地域6自治体と産学メンバーによるコンソーシアムを組んで、センサ、ビッグデータ、AIを活用し地域課題解決に向けた、いわゆる「地域DX」の水平展開活動も進めています。

YRPを選んだ理由を教えてください。

上記に述べた研究活動を行う上で、センシングすること、色々なデータ収集を行う必要があるのですが、これらを進める上では屋外で電波を発射することが基本となります。YRPは電波を使って実証実験をするには最適な場所であるため、YRPに研究室を設けることを決めました。
あとは、自然豊かな環境の中で研究に集中できるという点も大きな魅力でした。窓から海を臨むことができるのは、YRPならではではないでしょうか。

YRPに進出する前と進出する後でYRPに対する印象は変わりましたか。

中澤教授も私自身も、YRPに研究室を置く前から、YRPの研究機関等と連携しながら研究開発活動を進めておりました。そのため、YRPに進出する前も、進出した後においても、YRPは電波を使った研究開発活動を進める最適な場所であるいう考えは変わりません。

YRPに研究室をおいて良かった点を教えてください。

電波を使った実証実験が進めやすく、研究開発活動の没頭できる点では、YRPは非常に良い環境です。
そして、横須賀市とも連携しながら地域課題解決に向けた実証実験を進めていますが、YRPに環境を置いたことで、横須賀市とも密にコミュニケーションが取れること、そして、横須賀市が非常に手厚くサポート・協力してくれる点は、YRPに研究室をおいたからこそと感じております。

YRPに今後期待することはなんですか。

YRPは新たなイノベーションを起こせる場だと思っているので、より一層そういう場となるような活動と、企業・研究機関・大学がオープンにディスカッションや交流が出来る場をもっと作っていただくことを期待しております。
加えて、国のプロジェクトの推進、YRPでの研究開発活動の発信なども進めていただきたいです。
そうすることで、より多くの企業・機関・研究機関がYRPに集い、新たなイノベーションが起きるのではないでしょうか。

YRPに進出を考えている企業・機関に向けて一言お願いします。

YRPは電波を使った実証実験をするには最適な場所です。YRPには、国の研究機関・企業・大学研究室など様々なプレーヤーがいて、2030年に向けた研究を進めております。我々も様々なプレーヤーとそして自治体と連携をしながら、更に研究開発活動を進め、新たなイノベーションを起こしていきたいと思っているので、是非一緒に活動を進めましょう。

慶應義塾大学インタビュー2