第5回 LocaliST株式会社様(ベンチャー棟入居企業様)

(写真右)
代表取締役・名古屋大学 特任准教授・横浜国立大学 連携研究員
有吉 亮 様
(写真左)
取締役・横浜国立大学 連携研究員
西岡 隆暢 様

LocaliST株式会社HP:https://localist.alt-cois.com/index.html

YRPのベンチャー棟に入居されたのはいつですか

2020年8月です。

YRPで進めている事業等について教えて下さい

LocaliST株式会社は、横浜国立大学が参画した科学技術振興機構(JST)のセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラム(2013-2022)の中で、先進的なモビリティ関連サービスの社会実装を目的に、大学教員・研究員が設立した大学発ベンチャーです。モビリティとまちづくりに関する施策の伴走支援により、地域の活性化への貢献を目指しています。具体的には、高齢化と低密度化が進行する様々な地域を対象に、持続可能な地域モビリティサービスの社会実装支援や、その財政的な安定性の向上につながる仕組みの構築、すべての人々が無理なくサービスを享受するためのアプリ/システムの開発などに取り組んでいます。また、地域居住者の「移動」に関する様々なデータを取得、蓄積、可視化、分析することで、まちの現況診断とそれに基づく施策立案をサポートしています。さらに、モビリティのデザインはまちづくりと一体的に進めるべきと考え、外出目的(地)の創出につながる地域イベント等の企画・サポートの業務も行っています。

なぜYRPを選んだのですか?

情報通信技術の地、という大きな柱があることが一番の理由です。これまで、公共交通(鉄道、バス)、物流(トラック)などのモビリティサービスは、人やモノを安全・円滑に輸送することに主眼をおく独立したサービス群でしたが、2018年頃からは、異なる移動サービスおよび移動目的地でのサービスを一つに束ねるMaaS(マース:Mobility as a Service)という考え方が広まり、それを支える技術としての自動運転やオンデマンド配車システム等が大きく着目されるようになりました。MaaSは、スマートフォンのアプリを用いて、交通手段やルートの検索・予約・決済等を行う事が多いことからも、モビリティと情報通信技術の活用が必要だと考えていました。そういう意味では、NTTをはじめ情報通信技関連の企業・機関等が集積しているYRPは最適な場所であり、そういう人たちと連携・協創できる場所はここ以外無いと思います。
また、YRPに進出する前の話ですが、誰もが移動を諦めなくても済む世界をつくろうということで、全日空が中心となり、京浜急行電鉄、弊社、横須賀市、横浜国立大学の産官学が協働し、「Universal MaaS」というプロジェクトを推進していました。すべての参画者が熱意を持って取り組んでおり、そういう人たちがいる横須賀・YRPで一緒にプロジェクトを進めたいという思いもあり、YRPに拠点を持つことを決めました。
更には、豊かな土壌による実証実験のしやすさ、そして、最終消費者となる市民が近くにいる、という点も魅力だと思います。

進出する前に想像していたYRPと、進出してきた後で、印象は変わりましたか?

特に大きな変化はなく、思っていた通り、実証実験がしやすく、自治体、交通事業者、情報通信関連企業・機関等と連携・協創がしやすい非常に素晴らしい環境です。

YRPに進出してよかった点はどこですか?

日本を代表するような情報機器、通信技術の研究開発を進めている企業・機関等が間近にいる、そして、市民=大きなマーケットが近くにいる環境は非常に珍しいパターンであり、こういう環境でデータ収集・分析、実証実験などが出来ることは非常にありがたいです。
そして、自治体である横須賀市が非常に熱心であり、一緒に仕事をさせていただいておりますが、それがきっかけで、他の自治体や企業からも調査やアドバイザリーの依頼を頂けるようになりました。横須賀市は、交通問題をはじめとする地域の問題に熱意をもって機動的に取り組むことができている特徴的な自治体であり、そういう横須賀市と一緒に仕事が出来るのは、YRPに進出してきたからこそと強く思っています。

YRPに今後何を期待しますか?

YRPに進出している企業・機関などを繋げる役割を担って欲しいと思います。その人に相談すれば、悩みを解決してくれる企業・機関などを紹介してもらえる。そうすることで悩み解決にもなり、協創にも繋がっていくと思います。
また、YRPでの実証実験成果などYRPの活動を、積極的に外に向け発信していただきたいです。
情報通信という強みがある場所だからこそ、我々のような情報通信とはあまり関連が無かったようなモビリティが参入することで新たなサービスが展開出来ていること、こういうことを是非発信していただきたいです。

最後に一言お願いします

YRPにはいろいろな企業・機関等が集結し、色々な可能性を秘めた場所です。みなさんでディスカッションを重ね、協創していきましょう。