第5回 株式会社エア・リキード・ラボラトリーズ 研究員 イワン・オセプコヴァ様
研究者になったきっかけをお教え下さい。
子供時代、私の父がよく職場へ連れて行ってくれました。私の父は科学ベラルーシアカデミーの光学関連研究室長でした。研究室へ行くたびに、いろいろな光学関連機器(レンズ、プリズム、レーザー)を見ることができました。その研究室は、子供にとってとても魅力的な場所でした。異なる種類のレンズとプリズムが多数あり、それぞれに異なる目的があります。レンズを通すと、物体がいつもと違う形に見えます。レンズとプリズムは、角度を正確に合わせ、確実に固定しなければなりません。私は常に、研究活動の一部である精度と信頼性が好きでした。また、レーザーは、私たちが使用する通常の電球とは異なる光源であることを知っていました。レーザーがどういうものかを理解できたこと、また、それを友達に説明することができたことが自信になり、今の道へと進む動機となりました。学校では物理と化学が好きでした。ベラルーシ大学を卒業した後に筑波大学大学院に入学しました。筑波大学は素敵なキャンパスで、勉強と研究に最適な環境があります。前述のすべての事実が、研究者になる動機を与えてくれました。私は理論的な研究だけでなく、応用工学的な研究も楽しみました。エア・リキード・ラボラトリーズは、理論的な知識と応用的な知識の両方を自分の仕事に生かせる環境です。
YRPではどんな研究を進めているのですか。
私の仕事はナノテクノロジーです。更に言いますと、半導体デバイスの製造に必要なプロセスに関連しています。 これらのデバイスは、さまざまな種類のトランジスタ、メモリ、ディスプレイです。 私たちはナノスケール層の成膜プロセスを開発しています。 プロセスパラメータとソースに応じて、レイヤーは異なるプロパティを持ちます。 特定の結論に達した後、ソース、堆積パラメータ、またはプロセスの種類を変更します。 最終的に、希望する特性を備えた前述のデバイスの部品を入手できます。 化学、物理学、応用工学の知識を応用できる興味深い仕事です。
YRPで働いていて思うことはありますか。
駅からも近く、自然が美しい横須賀リサーチパークで働くのが好きです。 私たちの建物は高台にあり、窓からは海が見えます。 時々、オフィスや研究室の窓から海の写真を撮りたがる訪問者もいます。 素敵なカフェテリア(ローズテリア)も徒歩圏内にあり、そこで同僚と一緒にランチを取ります。我が社の研究棟には素晴らしい建築デザインが施されています。研究をするには、静かな環境であることが重要なポイントとなります。
これから進めていきたいことを教えてください。
私の仕事する上での目標は、研究分野で働き続け、専門知識を身につけ、新しい知識を習得することです。 現在、半導体産業は非常に急速に発展しており、新しいプロセスや分析が出現しています。 この分野で能力を発揮するには、半導体業界のトレンド、新しい特許、科学論文について把握する必要があります。 一例として、半導体産業と密接に関係しているのが人工知能です。 新しい技術を学ぶのも好きで、水素エネルギーも私にとって興味のある重要なテーマです。
親としては、子どもたちには立派な社会人になって欲しいと願っています。