楽天モバイル株式会社様
楽天モバイル株式会社 技術戦略本部 副本部長 朽津 光広 様
楽天モバイル株式会社HP:https://corp.mobile.rakuten.co.jp/
YRPに進出されたのはいつですか
2023年7月です。
YRPで進めている事業等について教えて下さい
2023年7月に、YRPセンターにOpen RANの高度化に必要なRIC(RAN Intelligent Controller)に関する研究施設を開設しました。
この施設では、RIC開発用のエミュレータ等を配備し、トラフィック状況等に応じて当社の試験用RAN環境を、RICを用いて制御することで、周波数の利用効率向上や省電力化、セキュリティ強化について検証します。
また、当社の完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを用いた検証環境を導入しており、当社のパートナーである国内外の通信機器メーカー等が本研究施設に遠隔よりアクセスし、Open RANのインテグレーションの検証やRICに関するPoCを実施できます。さらに、汎用サーバーで動くOpen RANインテグレーション用のエミュレータソフトウェアを他の研究施設でも遠隔利用できるようにすることで、場所を問わず、様々な国・地域のパートナーとの共同研究開発環境を実現しスピーディーな研究開発につながります。
なぜYRPを選んだのですか?
YRPは三方が小高い丘に囲まれ、残る一方は海に向かって開かれている特徴的な地形により、実験電波が域外へ漏洩するリスクを最小限とすることができる特徴があり、電波を用いた通信技術の実証実験を進める上で必要となる基盤があることです。そして何より、YRPが中立的な立場であるということが、YRPを選んだ最大の理由です。
新しい通信技術の実証を中立的な立場の機関と連携することで、一企業だけではなかなか無しえないことが出来るという点は大きなメリットだと感じています。
当社は、昨年12月にYRPに設立したJapan OTIC※1(Open Testing and Integration Centre)のメンバーとしてYRPで活動を進めております。Open Ranの推進を進めているO-RAN ALLIANCEという国際的な業界団体に設置されているTIFG(Test and Integration Focus Grope)というワーキンググループでJapan OTICの活動状況を説明する機会があり、世界的にも非常に高く評価されています。
中立的な立場であるYRPで他の事業者とも連携して活動を進めている点が高く評価されており、このようなOTICは世界に類を見ないものだと感じてます。
※OTICとは、O-RAN ALLIANCEが定めた標準仕様に基づき、各種の機器試験を実施、認証する機関のこと。ヨーロッパ、アメリカ、アジアに続き、日本ではYRPにJapan OTICを設立。 Japan OTIC紹介ページ:https://japan-otic.jp/o-ran
進出する前に想像していたYRPと、進出してきた後で、印象は変わりましたか?
特に大きな印象の変化はないです。電波を用いた通信技術の実証実験をする上で最適な場所であるということに変わりはありません。
YRPに進出してよかった点はどこですか?
Japan OTICの活動に対する評価が非常に高く、反響が大きいことは想定外でした。こういう評価や反響は、やはり、中立的な立場であるYRPだから得られるものですので、そういう意味では、YRPに研究開発施設を設けたこと、そしてJapan OTICを設立できたことはJapan OTICのメンバーとして最良の選択であったと感じています。
YRPに今後何を期待しますか?
中立的な立場という強みをもっと生かし、電波を用いた通信技術の研究開発環境の構築、Japan OTICという素晴らしい環境のPRを積極的に進めていただきたいです。こういうことは一企業では出来ないことなので是非お願いしたいです。
最後に一言お願いします
O-RAN仕様に基づいた試験設備が十分整っているので、是非ご利用いただき、日本の情報通信分野の活性化、多様化、さらに海外展開に貢献を一緒に進めていきましょう。