第10回 一般社団法人YRP研究開発推進協会 研究推進部 部長 大石 通明 様
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YRP研究開発推進協会の組織・推進業務などを教えてください。
YRP研究開発推進協会会員およびYRP進出企業を中心とした皆様とともに最先端のワイヤレス技術の研究開発を推進しています。
RAN機器に対するO-RAN仕様の認証を行うJapanOTICの運営、無線通信技術を用いた新たな電波システムの早期実用化を図るための研究開発を推進しているブロードバンドワイヤレスフォーラム(BWF)およびWi-SUNを始めとしたIoT技術の利用促進を目的としたワイヤレススマートユーティリティネットワーク利用促進協議会(WSN協議会)などの事務局業務、その他、社会実装を目指し、国際標準を視野に入れた国際連携などにも取り組んでいます。
YRP研究開発推進協会・Japan OTIC・BWF・WSN協議会については、HPで詳細をご案内しております。
※YRP研究開発推進協会のHP
※Japan OTICのHP
※ブロードバンドワイヤレスフォーラム(BWF)のHP
※WSN協議会のHP
BWF事務局としての担当されている業務を教えてください。
現在、BWFでは、各タスクグループ及びサブワーキンググループにおいて、ワイヤレス電力伝送システム(WPT)のユースケースの研究、市場への普及に向け、国内での制度化や国際的な規格の統一を目指した国際標準化についての活動を行っています。
このような状況の中で、事務局の役割は、各タスクグループの皆さんの業務が効率的かつ効果的に遂行できるよう後方支援することだと考えています。また、必要に応じて意見を述べることも、事務局の重要な役割の一つであると認識しています。
業務を進める上で大切にしていることをお聞かせ下さい。
BWFの皆さんとは常にコミュニケーションを取り、「これから何を、どのような方向性で進めていくのか」「現在の課題は何か」といった点を把握・確認するようにしています。
ラグビーのチームに例えると、ラグビーは1チーム15人で戦うスポーツです。一般的に、全員が大柄で力強い選手ばかりだと思われがちですが、実際にはそうではありません。もちろん大柄な選手もいますが、体は小さくても足が速い選手や小回りが利く選手など、それぞれの特性を生かし、チーム全体の総力をもって戦っています。これはバレーボールなど、他のスポーツにも共通する考え方でしょう。BWFにおいても同様に、研究・製造・開発、さらには物販・営業に携わる方々、そして事務局といった多様な人材が集まり、それぞれの専門性を生かしながら力を結集することが重要だと考えています。
「餅屋は餅屋」の精神をもって、それぞれの役割を最大限に発揮し、総力を挙げて活動していくことが大切です。
これまで仕事していて楽しかったことや大変だったことお聞かせ下さい。
WPTの普及に向けた活動の最終ゴールとして位置付けている国内制度化や国際標準化の実現は、決して容易なことではありません。現在、一部のWPTの制度化に向けて、同じ周波数帯を使用する既存の免許人との間で、数年にわたり共用検討を進めているところです。しかし、共用検討は一筋縄ではいかないことが多く、慎重な調整が求められます。
一方で、無事に共用検討が完了し、国内制度の確立として規制緩和が実現した暁には、大きな達成感を得ることができます。
そして、その成功が次の課題への意欲につながるのです。
YRPに関して、今後の抱負や目標をお聞かせ下さい。
YRPは、言うまでもなく、様々な分野の企業が集まる研究開発拠点です。YRPに来れば、研究途上の技術を含む最新・最先端の技術や、生活を豊かにする未来のビジョンを体験し、楽しむことができる「場」となるでしょう。そのような環境が整えば、人が人を呼び、活気あふれる拠点へと発展していくはずです。
しかし、その実現には、YRPに拠点を置く企業同士が横のつながりを構築し、連携を深めることが不可欠だと考えております。
YRP研究開発推進協会としては、YRPが共創の場となるよう一層努力していきます。
YRPに関係する皆様への一言お願いします。
一つの力では成し得ないことも、N(複数)の力が集まることで、その効果はN倍にとどまらず、Nの二乗、さらには三乗にもなると考えます。
YRPでなければできないこと、YRPだからこそ実現できることを、皆さんと共に考え、力を結集してYRPを盛り上げていきましょう。
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