YRPの憩いの場として親しまれる光の丘水辺公園で、公園開設の翌年2000年4月から公園管理者の横須賀市と協働して活動されてきたボランティア団体「水辺公園友の会」が、国土交通省から発令された令和5年度秋の叙勲において「緑綬褒章」を受章されました。緑綬褒章は「自ら進んで社会に奉仕する活動に従事し徳行顕著なる者」に贈られるもので、水辺公園友の会は環境美化奉仕団体として20年以上にわたり活動してきた功績により受章されたものです。

晩秋の光の丘水辺公園

公園設立の趣旨である 「かつてこの地域にあった里山の素晴らしい自然環境を再生し、後世に伝えること」を目的に、池や湿地、樹林地の維持・管理、植物や昆虫などの調査・保護に加え、来園者の案内や自然観察会等も行ってこられた水辺公園友の会。その創設時から会員として活動され、現在は会長の任に就かれている別府史朗様にお話を伺いました。

会の中心メンバーの皆様(中央が会長の別府様)
展示室に飾られた緑綬褒章の表彰状

― 緑綬褒章の受章が決まった時のご感想は?
大変光栄に思いました。これまでコツコツと続けてきた我々の地道な努力が評価されてとても嬉しかったです。このように多様な自然環境を持つ公園を作られた方々、それを今日まで維持されてきた会員の方々、会の活動を応援して頂いた賛助会員、それから横須賀市と関係者のおかげと思いました。

― 友の会の会員として活動されているのはどのくらいの人数の方々ですか?
現在は48家族の方々が会員として登録されておりますが、実際に活動されているのは20名~30名くらいの方々です。

― 年間を通じて様々な活動をされているとお聞きしています。
当会は、主に「聖なる池」を中心に活動しています。活動内容は、ハンゲショウ群生地のアシ刈りやニリンソウ群生地のコクサギ除去などの場所に応じた植生管理や、安全確保、日照管理などのための樹木伐採や植樹。絶滅危惧種や貴重種の関係では、例えばタコノアシ、カリガネソウなどの保護や繁殖、トウキョウサンショウウオの生息環境維持。更には外来生物の駆除、早朝探鳥会などの一般向け観察会、展示室の標本制作なども行い、「里山の豊かな自然環境」と「市民の憩いの場となる公園」を目指して汗を流しています。

公園管理棟
トウキョウサンショウウオ等の展示
壁には標本等も並ぶ

― 子ども向けに田植え体験や自然観察会等の取り組みもされていますね。
最近は自然に触れる機会が減り、自然を怖がる子どもが増えてきました。この公園は程よく人の手が入りながらも、本来の自然の姿も残す取り組みをしています。広すぎず高低差も無く、危険な箇所もほとんどありません。自然豊かな三浦半島ですが、こうした場所は意外と少なく、初めて自然に接するお子さん達にとってはうってつけの場所です。自然の中で遊ぶ楽しさ、自然が持つ癒しの力は何物にも代え難いと思うので、是非、今の子供達にそれに触れ、知ってもらいたいと思い続けています。

― 団体の創設から20年余りを経て変化はありますか?
会員が高齢化してきました。活動できる方々がだんだんと少なくなってきていますので、後進の育成が目下の課題となっています。YRP内や近隣にお勤めの方、お住まいの方、勿論、そうでなくても構わないのですが、お休みの日等に活動に参加してくださる方がいらしたら、と切望しています。

― 体力的に厳しい作業も多いと思われるのですが、ここまで続けてこられた原動力は?
やはり来園された方から、『ほっとする』『癒される』というお声を頂けた時の喜びですね。

4月から10月まで開放される「野鳥の池」を周回できる未舗装の散歩道では、勤務中の昼休みにもかかわらず、まるでトレッキングでもしているかのような気分が味わるので、贅沢な時間だと感じていることをお伝えすると、別府さんの表情がふわりとほころんだのが印象的でした。
改めましてご受章おめでとうございます。

池を周回できる歩道は歩きやすい舗装路
伐採危険木で会が製作した机とベンチ

四季折々に咲く花や水鳥を眺めながらゆっくりとした時間を過ごせるのも公園散策の楽しみのひとつ

ツツジ
フジ
ネムノキ
スイレン
これからの季節は渡り鳥の姿も

横須賀市公式ホームページ 横須賀市光の丘水辺公園