将来的に活躍する科学技術人材の育成を目的に、先進的な理数系教育を実施する高校を文部科学省が指定して支援する取組みであるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)。株式会社横須賀リサーチパークは、2018年度以降、SSH指定校である神奈川県立横須賀高等学校に協力し、生徒達の課題研究の支援を行っています。指導担当はYRP無線歴史展示室 室長の太田。受け持った中には、高校生ながらにして学会での研究発表を行ったり、その研究成果により特許を取得し、研究者としての人生を歩み始めた生徒もいます。今年は16人の新1年生がYRPで扱われる無線通信技術をベースとした課題研究に取り組む選択をし、2024年6月27日(木)に、その最初の授業がYRPで行われました。

この日、YRPに集合した生徒達がまず案内されたのはYRPセンター1番館の屋上。YRPの全景をその目で見て体感してもらうべく、天候が崩れないうちにぐるりと一周しました。次に向かったのは、過去30年分もの貴重な学会誌が所蔵されている地下倉庫。今後の研究の参考とできる先人たちの貴重な資料です。生徒達からは「そんな昔のものがあるなんてすごい」「分厚い」「英語だ!」との声が…。

NTT横須賀研究開発センタをはじめとする各ビルが目の前に
横須賀高校はこの山の向こう
研究論文の図書庫にて。 1930年の学会誌も。厚さ5センチの迫力

その後の座学では、YRPがこの場所に開設された背景、横須賀と無線通信技術開発との関わり、現在YRPで扱われる研究テーマや今後の通信技術の展望についての説明が行われ、生徒達は真剣な面持ちで聞き入っていました。

コヒーラ検波器の実験体験では、「え?なんでこれで電気がつくの?」と思わず笑顔になる生徒も。今後1年にわたって取り組む課題研究への期待が垣間見えた瞬間でした。

横須賀と無線通信技術の関わり、YRP開設の経緯、今後の無線通信技術の展開等を解説
コヒーラ検波器の実験体験
無線歴史展示室で無線通信技術の発展の歴史を学ぶ
携帯電話の研究開発の歴史も紹介